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  IE手法による実労働時間短縮(生産性向上)~ポイント9

作業内容の現状把握

生産性向上プロジェクトが結成できたら、まず、作業内容を洗い出します。お金になる作業とならない作業を明確に分離・認識することが重要です。

特に、お金になる作業としての主作業の全作業に対する比率(主作業比率)を確認しておきます。

仮に主作業比率が33%のとき、生産性を約10%上げたいなら約36%に主作業比率をアップすることが必要です。


ある製造現場の作業内容


  IE手法による実労働時間短縮(生産性向上)~ポイント10

企業の業績向上活動と直結したIE活動

企業の業績向上活動と直結したIE活動を展開するためには、IEの基本技術の体系的習得とその高度化対応の実践技術習得の2つのアプローチが必要になります。

また、現代のIEに求められるものは次の点です。

○現場改善に終始したIEは第一線監督者にゆずり、生産技術者は、複雑化していく生産システムのなかでシステムそのものを革新していく専門スタッフとしての使命が求められています。
○生産技術者は、経営者の戦略的意思決定をサポートする使命があります。

 このように、基礎技術の実践だけでなく、個人的資質、システム運用力が、今後の生産性向上のポイントとなります。
   IE手法による実労働時間短縮(生産性向上)~ポイント11

仕事の「ムダ」・「ムリ」・「ムラ」をなくす◆

  • 業務に「ムダ」はないか
  • 業務に「ムリ」はないか
  • 業務に「ムラ」はないか

これらは、「3ム」と呼ばれ、取り除くことにより、「生産性向上」を図ります。基本的な考え方は、「ムダ」な業務を取り除き、それを最適化された業務として再構築していきます。それは「労働強化」ではなく、「ムダ」な業務を廃除して「労働の質」を向上させることが目的であり、重要なことなのです。これらを具体的に見ていくために私は次の4つの改善項目に分類してみました。

  1)レイアウトの改善
  
2)作業域の改善
  
3)基本動作の改善
  (4)治具・工具の活用、改善

1)のレイアウト改善とは、その名の通り工場内の設備や人員の配置を改善することです。簡単なことのようですが効果が高いものです。一般的に、人が1m移動するのには1.1秒掛かると言われています。10m離れていると11秒です。これらの移動時間はムダに直結します。可能な範囲で出きる限り人の動きにムダのない配置を作りだしましょう。同じラインで流れる製品が大きく違う場合、その製品ごとに最適になるよう、可動的レイアウトにするということも考えられますが、現実的には工作機械の設置場所などの問題もあり、困難な場合もあります。しかし、レイアウトは変えないものではなく、常に改善をしていくものという認識も必要です。

2)作業域の改善とは、一人ひとりの作業域を改善していくこと。(1)のレイアウト改善をもう少し小さな範囲で見たものです。これには作業員の動きを継続してビデオに録画し、分析することがとても有効です。さきほど1mの移動は1.1秒と述べましたが、足一歩は0.6秒です。さらに90度振り向く作業は0.8秒です。このレベルになると1秒以下の動きの改善です。これらは、材料の置き場所や工具の位置などで大きく変わってきます。

3)基本動作の改善になるともっと細かくなります。これには、手の動きと作業範囲を人間工学から確認していくことになります。手の動きには、正常作業範囲と最大作業範囲がありますが、この2つの範囲を超える動きは作業にリズムがなくなり、作業ロスにつながります。

4)治具改善は中小企業でも自社でオリジナルを製作しているところも多です。ちょっとしたアイデアで大きく作業効率が変わってきます。中には発明に近いようなものを作りだす企業もあります。そのアイデアもムダの発見から始まります。道具に対しても、常に改善の意識を持っておきたいものです。


  IE手法による実労働時間短縮(生産性向上)~ポイント12

労働強化と労働の質を上げることの違い

労働強化

  • 「業務内容」や「個人能力」を無視して、どんどん仕事を詰め込む
  • 「ムダ」を取り除いていないため、業務が大変になる
  • 従業員に対し「やれやれ」という精神論が多く、心理的負担が強い
  • 結果的に、長続きしない。また、「労災事故」等の原因ともなる

労働の質を上げる

  • 仕事の内容を「業務」と「ムダ」に分割し、「改善活動」により、「ムダ」を取り除く
  • 「ムダ」を取り除くことによって、空いた時間に「主作業」を取り込む
  • 仕事の効率化を推進することにより、「主作業」の比率を高める
  • 心理的負担、労災事故等が発生しない
  • 従業員の改善意欲が高まり、どんどん改善が改善を生み、好循環になる


  IE手法による実労働時間短縮(生産性向上)~ポイント13

情報の流れをチェックする

各作業に直接的・間接的に働きかける情報(マーケッティング情報・業務連絡、部署間連絡等)を1つ1つ確認します。本当に必要な情報なのかどうかを、調査・分析し、情報の流れを乱している要因を特定します。一例として、業務プロセスの分析を行ないます。本来、日常業務は誰がやっても同じ結果が得られるような仕組みを構築する必要があります。

実態として、次のような情報の流れがうまく行ってないということが、どこの作業場でも見受けられます。

  • 属人的な情報の受発信になっている
  • 整理されていない雑多な情報を受発信している
  • 同じ情報でもあっても、判断が異なり、同じ結果が出てこないことがある
  • 重要な情報が、ある従業員のところで、滞留や停滞している等

一例として、帳票類の調査があります。ひとつの業務において、どの帳票がどの部門を経て完結するかを情報の流れに沿って分析するものです。そこで、「重複業務」「やらなくても良い業務」など「ムダ」な業務を浮き彫りにし、改善につなげます。



  IE手法による実労働時間短縮(生産性向上)~ポイント14

改善案出し~改善活動

労働時間短縮には作業効率面と法的な労務管理面の両面から改善案を見つけ出していく必要があります。



  IE手法による実労働時間短縮(生産性向上)~ポイント15

改善活動

・問題点の現状把握と改善活動

改善とは現在行っている作業のやり方の問題点を発見して、より良い方法を見つけ出し、現在行っているやり方を変えることをいいます。そして、この改善を組織的に行うことを改善活動といいます。


  IE手法による実労働時間短縮(生産性向上)~ポイント16

IE手法による実労働時間短縮の効果

動作のつなぎ目を改善することで、作業がやりやすくなった。
改善を進めるきっかけとなった。
技能訓練計画表が新入社員教育などに生かされ、よい判断材料となった。
改善現場以外の方が参加することで、活動の共有化ができた。


  IE手法による実労働時間短縮(生産性向上)~ポイント17

多能工化でフレキシブルな生産体制を構築する

作業者の技術の向上、技能の維持を図る管理活動ををスキル管理とよんでいますが、このスキルレベルを上げるには、OJTによるスキル教育が必要となります。

時代の流れとともし生産方式も変化します。それに伴い作業者に求められるスキルレベルも進化しますので、フレキシブルな生産体制の構築が不可欠となってきます。

消費者ニーズの多様化、個性化に伴い、生産方式も少種大量生産から、多種少量生産さらには、変種変量生産、混合生産へと変化していきます。

この結果、作業者に求められるスキルレベルも少種多量生産時代の単能工から、多能工、万能工へとより高いスキルレベルが求められる時代になってきています。

これらの流れに対応するため生産現場では、「熟練訓練計画表」などを作成して、作業者を胆嚢工の育成に始まり、多能工、万能工へと計画的に順次育成することが不可欠となってきます。

これによって、需要変動や作業者に欠員が出た場合などに対応しやすいフレキシブルな生産体制を構築することが可能となるのです。

  
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